夢への扉

その66 「新年を迎えて~人のつながりを語る~」編

 2018年、新しい年がスタートしました。始業式で、理念について話しました。1月号の社内報にも掲載されています。挨拶の中で皆さんに伝えたかったことは、ソミックの理念「人のつながりを大切にし」と「世の中の役に立つ」の2つでした。そこで今月は、「人のつながりを大切にし」から「上司と部下」についてもう少し話をしてみようと思います。
 
1.上司と部下との信頼関係
 上司は部下に信頼され、尊敬される人にならなくてはいけません。信頼される上司とは、技術や技能に長けているだけでなく、部下に対して思いやることができ、部下と一緒に問題を解決していける力を持っている上司のことだと思います。優れた技術を持ち、自分一人の力で解決するだけではなく、相手のことをよく見て、相手の気持ちに歩み寄ることができるかどうかが信頼関係をつくります。上司の、「部下と共に」という思いが人のつながりだと思います。
 
 先日読んだ「心が折れる職場」という本の中に、こんな家族の話がありました。ある日、息子がテストで悪い点を取って帰ってきました。母親はそれを見て、「なにをやっているの!こんな点を取ってきて!すぐ勉強しなさい!」と言います。息子は口もきかず、すぐ勉強部屋にこもりました。その晩、遅く帰った父親が息子の部屋を覗くと、息子が一人座っていました。父親は、「いつも夜遅くまで頑張っていたのになあ。何がいけなかったのかなあ?」と息子に語りかけました。すると、それまで父とは一言も口をきかなかった息子が、大粒の涙を流しながら自分のことを少しずつ話し出しました。要は、「相手の気持ちを知る」ことです。
 
2.部下のモチベーション
 また本には、上司の大切な仕事のひとつは「部下のモチベーションを上げる」こと、と書かれていました。モチベーションには外的なモチベーションと内的なモチベーションがあり、中でも内的なモチベーションこそが大切だそうです。外的なモチベーションとは、作業環境、待遇、昇給など、内的なモチベーションとは仕事のやりがい、達成感、自分が成長しているという実感です。
 
 しかし、内的なモチベーションとは目に見えるものではありません。部下の心の中にあり、上司は部下の心を知る必要があります。また部下自身も、自分を知るために「自分にとって仕事のやりがいとは何なのか?」「自分が仕事の中で楽しいと思うことは何なのか?」「自分は何のために働いているのか?」自問自答する必要があります。そしてそのことを上司と話し、自分の考えを上司に伝えていかなければなりません。これが上司と部下の本当のつながりをつくっていくスタートとなります。
 
3.家族のような会社
 この本は、最後にこのように締めくくられていました。
「上司が部下と対峙したとき、大事なことは何も難しいことではない。目の前の人をどれだけ尊重しようとしているのか、その人の気持ちと向き合おうとしているのかどうかである。そしてその部下の後ろに、その人を生み育ててくれたご両親や、配偶者、子どもたちといった家族を感じられるかどうかが上司としての信頼につながる」と。
ソミックで働く皆さんが、職場の中にこの家族的な気持ちを持つことができれば、職場は大きく変わります。それが、私の夢である「家族のような会社」なのかもしれません。
 
 今年は、今一度理念について考える場を作っていきたいと思っています。ぜひ、皆さんも「人のつながり」について考えてみてください!